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芙苑晶インタビュー「新たなる世界からのサウンド」
Nucleus(アルゼンチン)2005:日本語訳版 > 3 > |
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5. この音楽を通してあなたが表現したかった感情やアイディアは何でしたか?
あなたが自分の作品で到達しようと模索した目標は何ですか? |
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●このアルバムのテーマは、天地創造から現在そして近未来に至る「時間」の流れを、一つの叙事詩として描き出すというものだった。
その発想のヒントになったのは、ルドルフ・シュタイナーの著書にもある「アカシャ年代記(注:Akasic Record=アカシック・レコードとも呼ばれることがある)」というものだ。宇宙で生じる可能性のあるあらゆる動きの軌跡が全部そこに記録されているというものだね。
僕はその話を読んだとき、ちょうど巨大な CD とか DVD のような円盤状の物体を想像し、そのイメージを映画を見るような感じで音楽として聴けたら面白いだろうなと思ったんだ。
僕ら三次元の物質世界に生きている人間は、空間を認識することはできるが、時間を見ることはできない。だがエレクトロニック・ミュージックは、ある意味でタイムマシンのように時間を視覚化できる手段だとも言える。
また、これまでのソロ・アルバムでは僕はシンセサイザーやキーボードをメインに使い、僕独りでほとんどのパートを演奏していたが、今回は、フゾノ・アンプラグド・シンフォニック・アンサンブル(Fzono Unplugged Symphonic Ensemble)という演奏家集団のメンバーによるオーケストラや合唱、それに日本や中国の民族楽器なんかを僕自身が指揮し、オーバーダブしている。
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| 6. あなたはこの作品の各楽章(movement)をどう描写しますか? |
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●基本的にはアルバムの最初から最後までを聴くことによって、天地創造から「現在」そして近未来=永遠という時間のポイントまでを旅していくようなイメージで作っている。
僕はこのアルバムを作るとき、簡単なストーリー・チャートのようなものを絵で描いてみたんだけど、でもこれはロック・オペラじゃない。The Who (ザ・フー)の「トミー」のように、とくに決まりきったストーリーが最初からあるわけじゃないんだ。
それがインストゥルメンタル音楽のいいところで、リスナーが10万人いれば10万通りのストーリーをそれぞれの頭の中で自由に思い描くことができるわけだ。
だから僕としては、あまりストーリーを事細かに喋ってイメージを限定したくない。聴く人それぞれに自由にイメージの世界を楽しんでほしいからね。
ただ、そうは言っても、各楽章におけるキー・イメージ、つまり絵でいう構図になるようなものはそれぞれにある。Movement 1 は天地創造、Movement 2 は生命の誕生で、Movement 3 は人類が登場する場面だ。
Movement 4 は愛と家族、Movement 5 は 死、Movement 6は戦争のシークエンス、Movement 7 は人類壊滅の危機で、つまり20世紀から現在に至る時間を表している・・・といった具合さ。
そして最後の Movement 8 はそれを乗り越えて蘇生する新しい世紀の人類というイメージで、つまりたった75分辛抱すれば、誰もが数十億年の壮大なヴァーチャル・タイム・トリップを楽しめるというわけだ。
実を言うと、これを言うのは初めてなんだが、このアルバムをライブ化する計画を持っているんだ。もうほとんどストーリーも舞台装置もほぼイメージができているよ。
僕は音楽以外ではビデオアートの作品も昔から作っているんだけど、僕自身が音楽と映像を制作し、シンセの他にはオーケストラと合唱を動員した大がかりなオーディオ・ヴィジュアル・コンサートをいつかやるつもりで計画しているよ。 |
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