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芙苑晶インタビュー「新たなる世界からのサウンド」
Nucleus(アルゼンチン)2005:日本語訳版 > 1 > |
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| 1. まず、あなたの音楽的方向性と、これまでに関係したプロジェクトについてお聞かせください。 |
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●僕は五才からピアノを始め、当初はアカデミックな音楽理論を勉強していた。少年時代はクラシックの作曲家になるつもりでいたが、やがて電子音楽に興味を持つようになった。
そしてあるとき僕は小型の MOOG モジュラー・システム を中古で手に入れ、以来、時代の進歩とともに機材は新しくなり、使う楽器はどんどん増えてきたものの、音楽を作るスタイルは今日までずっと一貫している。
基本的には僕は作曲家、シンセサイザー奏者、エレクトロニック・ミュージック・ソロイストで、自分で全部のパートを作曲し、オーケストレーションし、演奏し、レコーディングもするというスタイルで今日までずっとやってきたんだが、初期の頃には、トランス・レイヴ・ミュージックのバンドでキーボードやテレミンを演奏していたこともある。
ニューヨークにいた頃 やっていた、幻覚植物研究所(Psychedelic Plants Research Laboratory)[aka. Aurora Heads]や、日本の Far East Acid House Quartet(ファー・イースト・アシッド・ハウス・クワルテット)などだ。
とくに、1988年の夏にバンドメンバーとともにロンドンに渡り、アシッド・ハウスとネオ・ヒッピー文化に象徴される「セカンド・サマー・オブ・ラブ」ムーブメントの洗礼を受けたことは僕の大きな転換になったね。
そしてアシッド・ハウスとクラシックを結びつけて新しいサウンドを追求したのが最初のアルバム『燐光』で、さらに、90年に出した第2作『木霊』以後は、シンセサイザー・シンフォニーという副題を持った電子音楽のインストゥルメンタル・アルバムを発表するようになり、僕は自分なりのスタイルをどんどん発展させていった。
そして90年代の終わりには、そういったそれまでの僕が吸収してきたさまざまな音楽的要素を統合したシンセサイザー組曲とも言えそうなアルバム『宇宙論』(Cosmology)を作った。
ただし2003年に出した新作の『年代記』は、それ以前に僕が作ったどのアルバムとも違っているね。それぞれのアルバムに特徴があるが、『年代記』は特に特異なカラーを持った作品だと思う。
『年代記』はこれまでのエレクトロニック・ミュージックとは反対に、オーケストラや合唱を使い、本物のクラシックの交響詩に近づけてみようと思ったんだ。
言ってみればそれは、ある意味ではたとえば、ピンク・フロイドにおける『アトム・ハート・マザー(原子心母)』のような感じのアルバムとも言えるかもしれないね。 |
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| 2. あなたは自分の音楽をどう描写しますか? 自分の音楽をどのスタイルに位置づけますか? |
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●僕の音楽はいろんなふうに評価されてきた。アンビエント、エレクトロニカ、シンフォニック・テクノ、スペース・ミュージックなどだ。
だがスタイルの面に限って言えば、僕のようなスタイルで音楽を作っている作曲家は世界じゅうにも数えるほどしかないだろうね。マイク・オールドフィールド、ジャン・ミッシェル・ジャール、ヴァンゲリス、僕、それにスペインのドン・F・スカブなどだ。
オーケストラ音楽から電子音楽までを独りで全部作る作曲家ということもあってか、よくレビューではヴァンゲリスなんかと比較されてもきたが、シンセサイザーを使ってシンフォニックなインストゥルメンタル音楽を作る人は稀な存在で、誰もいっしょにされてしまいがちだ。
ただ、僕自身は、ジャンルとかスタイルには囚われていない。ジャンルやスタイルから何かを始める人たちもいるが、僕は違う。
これまで人に、あなたの音楽はどんなジャンルですかと訊かれるたび、僕は「ジャンルはないんです。それは僕の音楽を聴く一人一人が好きなように決めてくれたらいいと思います」と答えてきたし、今でもそれが正直なところだよ。 |
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