| 芙苑晶(AQi Fzono / フゾノ アキ) > |
| 電子音楽、トランス・ミュージックで知られるアーティスト・芙苑晶は、エレクトロニクスを駆使した独自の幻想的サウンドで知られる。万華鏡のように変化するサウンド・スケープによって描かれる壮大なヴィジョンの世界と、トランス、テクノからアンビエント、ロック、クラシックまでを変幻自在にミックスした新次元のサウンドは、電子音楽というジャンルを超越した壮大な宇宙を感じさせるものとして、国境とジャンルを超えたファン層を持っている。 |
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エレクトロニック・ミュージック創世記の80年代後半より、日本のファー・イースト・アシッド・ハウス・クワルテット、インターナショナル・ユニット・幻覚植物研究所(Psychedelic Plants Research Laboratory)等のトランス・ユニットで活動。当時よりすでにトランスの先駆的作品群を発表し、トランス音楽の予言者とも評される。また、ソロアルバム群においては、
シンセサイザー・シンフォニー(Synthesizer Symphony)、アシッド・ミュージック(Acid music)、シンフォニック・テクノ(Symphonic Techno)等、電子音楽の新たなスタイルを確立したパイオニアとして国際的に知られる。
現在は、アメリカ・ワシントン州を拠点とし、世界的に活動している。 |
略歴 1969年生まれ。幼少期よりクラシック音楽のトレーニングを受けるかたわら、電子音楽を学び、十代前半より作曲家として活動を始める。
87年、渡欧。神智学等の神秘主義思想・哲学を学んだ。以後、ヨーロッパ、アジア、アメリカ等の世界各地で単独放浪生活を送りながら、独自の音楽を模索すべく、古代音楽、民族音楽を探究。とくに彼の民族的ルーツであるアジアの民族音楽を再発見したことは、のちの活動への大きなターニング・ポイントとなった。以後、スタイル的にもクラシック以外の音楽を取り入れ、よりグローバルなものへと変化していく。
同年、ニューヨーク滞在中、トランス・ユニット「幻覚植物研究所(Psychedelic Plants Research Laboratory)」として、NY各地で「マルチメディア・ヴィジョンクウェスト」と題する数々のオーディオ・ビジュアル・ライブを行い話題を呼ぶ。以後同ユニットはアルバムを制作・発表、のちに、幻覚植物研究所(Psychedelic Plants Research Laboratory)(一部、米国盤のみAurora Heads)名義でアルバムをリリースし、トランス音楽(サイケデリック・トランス、トライバル・トランス、サイビエント)、野外レイヴ・パーティの先駆的存在として知られる。
翌88年、ファー・イースト・アシッド・ハウス・クワルテット、もしくはLSD解放同盟(Far East Acid House Quartet, Otherwise the LSD Liberation Front )をロンドンで結成。おもに日本を含むアジアやヨーロッパのアンダーグラウンド・シーンで活動し、6枚のアルバムと数々の伝説を残す。芙苑晶は、作曲家・シンセサイザー奏者、バンド・リーダーとして97年まで在籍。
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これらと並行してソロ活動を開始。88年、NYのテクノ・レーベル・ Nerve Nets Records より1stソロ・アルバム『燐光(Phosphorescence)』でソロ・アーティストとしてデビュー( Siamese Twin 名義)。以後、独自なスタイルのエレクトロニック・ミュージックで「サイケデリック、電子音楽、トランス、クラシックの稀有な融合」などとも評される。89年、オランダ(アムステルダム)へ移住。
大自然の神秘と霊気をテーマにした2nd ソロ・アルバム『木霊(Echoes)』(1990)では、シンセサイザーならではの映像的効果によって、トランシーな幻想的世界を描写。電子音楽の印象派とも見なされるこの新手法はシンフォビエント(Symphobient)と命名され、芙苑晶の初期作品世界を象徴するオリジナル・タームともなった。また、このアルバム以後、ソロ・アルバムにはシンセサイザー・シンフォニー(Synthesizer Symphony)の副題が添えられ、通し番号が振られることになる。 |
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続く3rd ソロ・アルバムとして、サイビエントやアシッド・ハウスの影響なども感じさせる『荒廃(Ruins)』(1993)、さらに、より壮大でドラマティックな構成で、ゴア / サイケデリック・トランスから民族音楽、ミュージック・コンクレート、クラシックまでを合体させた大作となった4th『伽藍(Cathedral)』(1995)を発表。
この三作は、シンフォビエント三部作(Symphobient Trilogy)として完結。テクノ・リスナーのみならず、他ジャンルのリスナーたちからも賞賛を集めた。
また、この90年代に、ソロ・アルバムよりのシングル・カット曲「Ruins 2」「Cathedral 1」の2曲が、日本を含むアジアやアメリカをはじめ、世界各国のクラブ・イヴェントやファッションショーなどにもたびたび使用され、DJによる複数のダンス・リミックス・トラックも存在する、トランス・ミュージックのクラブ・ヒットとなる。
これら初期ソロ作品においてすでに、 多種多様なサウンドスケープを組曲スタイルの中に混交し、映像的なヴァーチャル・リアリティを感じさせるストーリーを創造、幻想空間へのトリップ感覚を生み出すという、芙苑晶の特許とも呼ばれる革命的な新手法「アシッド・サウンド・ムービー(Acid Sound Movie)」を開発・提唱。
無限大の自由なアレンジとジャンルの異種交配を可能にした革命的な電子音楽スタイル「シンセサイザー・シンフォニー(Synthesizer Symphony)」のサブタイトルでも知られるソロ・アルバム・シリーズ群において、電子音楽の新たなスタイルを確立した創始者として認められ始めた。 |
| 彼の出世作ともなった5thアルバム『宇宙論(Cosmology)』(1998)では、トランス、アンビエント、テクノ、IDM、クラシック等々を縦横無尽に融合、「アシッド・サウンド・ムービー」の手法をさらにさスケール・アップ。なおかつ彼の90年代の活動を集大成したような大作で、レビューでも「音楽によるヴァーチャルSF映画」「テクノを超えた新次元のスペクタクル・テクノ」「電子音楽版『2001年宇宙の旅』」「21世紀のトランス・シンフォニー」などと様々な評価を受け、結果、「SFミュージック(Sci-fi Music)」
「シンフォニック・テクノ(Symphonic Techno)」とも呼ばれる新スタイル提唱・開発した事実上世界初のアルバムともなった。 |
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アルバム収録曲であり、クラブ・ヒットとなったシングル「Cosmology 5」を含む本作は、発売後ほぼ10年を経過して今もなお、国境とジャンルを超えたロング・セラー・ヒット・アルバムに。 2006年にはリマスター盤が再発された。
さらにまたこの時期、幻覚植物研究所(Psychedelic Plants Research Laboratory) [アメリカ盤のみAurora Heads名義] の3rdアルバム / クラブ・リミックス・アルバム「Mrs. Cyborg's 12 Dreams」収録の「Electrode Land」、そして初のヴォコーダー・フィーチャーの珍しくポップなトランス・ナンバー「Mrs. Cyborg」は、トランス・テクノの名曲として、クラブ等を中心にしばしばローテーション・プレイされ、作曲家としてのヒット作をさらに増やした。 |
| これら80-90年代の一連の、独自のスタイルとポリシーを貫く表現活動によって、ミレニアム前後より、とりわけ日本やアメリカのファンの中には「幻想派プログレッシブ・トランス」「電子音楽のキューブリック(Kubrick of Electronic Music)」(『Cosmology』レビューより)、「シンセ サイザーの魔術師」「Mr. Acid」、さらには「ジッピー / ネオ・ヒッピー(Zippie / Neo Hippie)の元祖」などといったユニークな呼び名まで誕生。片や、トランスやレイヴ・カルチャーの草分けとしてメディアにも採り上げられたりと、すでに音楽家の枠を超え、そのユニークな人物像とライフスタイル・思想に対するカリスマ的評価も並行して始まっていた。 |
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ミレニアムを記念して制作された 6thアルバム『年代記(Chronicle)』(2003)では、それまでのダンス/エレクトロニカ・スタイルより一転。ソプラノ・ディーヴァ(歌姫)、ジャニス・ブラッドレイ(Janis Bradley)をゲストに、オーケストラや大合唱、日本や中国の民族楽器などをフィーチャーした、新時代の壮大なネオ・クラシカル交響詩とも呼べるサウンドで、さらにジャンルを超えたファン層を拡大。海外諸国のレビューでも絶賛が相次いだ一方、日本でもプログレッシブ・ロック、クラシック・リスナー等、他ジャンルからの評価も受けた。
2007年9月21日、活動20周年を記念する4年ぶりのニューアルバムであり、日本のガールズDJデュオ、トランス・レイヴ・ドーターズが芙苑晶のこれまでの代表曲/クラブ・ヒッツを網羅しリミックスを担当した、クラブ・ダンス・リミックス / AQi Fzono ベスト・ヒット・アルバム、『恍惚的宇宙論 / トランス・レイヴ・コスモロジー (Trance-Rave Cosmology)』(「芙苑晶 with トランス・レイヴ・ドーターズ」名義)が世界発売された。
(文責 = Jerry Morton Smith / 日本語版訳 = 三珠アケミ)
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